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経済安全保障の時代に私たちはどうするべきか
PRIVACYJAPANのSTEKWIREDでは、企業向けのプライバシーコンサルティング・教育研修を提供しています。
フランスの軍事学校戦略研究所の報告書から中共が他国への影響力をあたえている内容と日本で確認できる事柄を「国家の脅威 中共の影響力作戦」で明らかにしてきました。
経済安全保障の時代に私たちはどうするべきでしょうか。政治家や官僚は国家安全保障をG7の他国レベルまで高める努力を期待しましょう。私たちが今できることはどんなことでしょう。
独裁制の被害者は明日の我が身かもしれません
日本人は平和の価値を知っていますし、他国の侵略は考えない民族です。世界史を読むと日本以外の民族は、他国を侵略し、また侵略を受けてきました。世界大戦後の平和な時代は、人類のデフォルトの価値観ではなく、情報化により世界が経済でつながったことは画期的な出来事と思われます。
チベットやウイグルは自治区として中共の統治をされています。彼らは漢民族ではなく、中国大陸にいる少数民族でした。彼らに共通するのは平和を愛し、軍事力を持たないことでした。
中共は、チベットやウイグル民族に中国の文化的な生活を提供する約束で自治区としました。統治をすすめるうえで、中共政府への反乱を防ぐことが発展し、ジェノサイドまで発展しています。中国共産党は、少数民族のみを迫害しているわけではありません。天安門事件後。現在もウイグル人・チベット人・法輪功やキリスト教徒などが迫害を受けています。毛沢東は統治のために中国の国民の7000万人の命を失わせていると言われます。共産主義を構築し維持するためには、反乱分子を監視し、生命や財産や自由を制限する必要があることを「超限戦」で著者が語っています。
Our World in Dataによると、200年前は国の統治は独裁制が主流でした。100年前に国民の選挙によって民主主義の国が生まれ始めました。独裁制で権力者が民を支配しているシステムでは、民に民主的な人権がなかったといえます。
世界大戦および冷戦以降に民主主義国が増えて、現在は半数以上になっています。民主主義国に暮らしているわれわれが自由や財産やプライバシーなどの人権があたりまえのように感じていますが、世界人口でみると独裁制の国家の世界人口は2/3も占めます。人口からみると人類の主流が独裁制となっています。
民主主義を覆そうとする他国の脅威が成功した場合には、私たちが明日の被害者になる可能性があります。
最悪の未来を迎えないために
「ウイグル大虐殺からの生還 再教育収容所 地獄の2年間」(グルバハール・ハイティワジ 著)で、著者が教えてくれました。ウイグル人のジェノサイドでは、職業訓練所に閉じ込められ、午前4時から習近平の思想を中国語で覚えさせられるといいます。強制職業訓練所の生活にわれわれのプライバシーは存在しません。プライバシーの最大の脅威は、他国に支配され思想、自由、財産、身体の臓器などを奪われないことです。
ロシアがウクライナ軍事進攻の口実として、地域の独立を支援する方法がとられました。フランスの軍事学校戦略研究所の「中国の影響力作戦」では沖縄が琉球独立として米軍基地を排除し、日本から独立を宣言した場合には、ウイグルやチベットと同じ道を歩むことが予想されます。
中共は、国民に反日教育をしているため、沖縄な日本人が統治下となった場合には民族浄化や反日による報復など、ウイグル人よりも凄惨な被害となるかもしれません。
日米同盟があり、米国が欧米豪印の民主主義国の結束を呼び掛けているのが今日の経済安全保障の枠組みです。日米同盟を終了し、軍事力が乏しい状態で、中露北に核ミサイルで威嚇を受けた場合には、沖縄だけでなく日本本土も建国以来の侵略の脅威が高まります。
中共の習近平政権が目指す「人類運命共同体の領袖」として、民主主義国が中国統治の共産主義国に置き換わった未来は、ウイグル人のジェノサイドと同じことが日本人にも行われるといった最悪の未来を否定できません。
政府も経済安全保障や国防を検討しています。私たち国民は有事に一丸となって脅威に立ち向かってゆきましょう。
自分のプライバシーを守ろう
国家の最小単位はヒトです。経済安全保障もヒトが関わります。デジタル社会では、プライバシーに関わる個人情報が最も価値があり、目的達成のために利用されます。
米国人の8割のDNAデータが盗まれ生物兵器開発に利用させていると米国の報道がありましたように、データがどのように何に悪用されるかを想像するのには限界があります。人と人とのつながりが工作活動に利用されるか、世論誘導に使われるかなどもわかりません。
中共は、本土の国民や自治区の民族をデータで管理をしています。あらゆる通信機器やスマートフォンなどのデバイスやネットワークカメラ、ソフトウエアやアプリや民間企業のデータベースやネット行動からデータを処理して、党の反乱を企ててないかを探し出し、摘発し統治しています。
つまり、世界中のどの国民であっても中共がプライバシーのデータが入手できれば、同様のことができます。欧米日豪印などの国のプライバシー原則を超えた利用がされているため、プライバシーデータの処理は想像を超えている可能性があります。
中国やその資本が入った製品やサービスからは中共に国家情報法により提供する義務があり彼らに利用される可能性があります。その環境を利用するとプライバシー情報が収集され悪用されるリスクがあります。
われわれができることはクリーン&デカップリングです。クリーンは、個人情報が窃取され利用される汚染機器やサービスを利用しないことです。デカップリングは、関わりを少なくして距離をとることです。
クリーンネットワークを利用する
中共は、あらゆる組織に共産党があり、あらゆる中国人に国家情報法による機密情報や個人情報などの情報開示の義務があります。中国のネットワーク製品やPC端末やスマートフォン、顔認証カメラ、センサー、EV、ルーター、ハブ、サーバー、データセンター、オンラインサービス、アプリなど情報を取扱うものは中共にデータを窃取され利用される危険性があることを認識して、徹底的に避けることです。
汚染された食品を食べないことと同じようにデジタル環境に中共の支配のないクリーンな国産や民主主義国で個人情報保護をした製品を選びましょう。
スマートフォンやPCやネットワークカメラ、EVなどで中国製を選ばないようにしましょう。デジタル環境に中華製が含まれている場合には、その人から個人情報が不正取得されるリスクがあります。この時代に中華製の製品を扱うことは、安全保障の観点のない人であると認識されるリスクがあるともいえます。
デカップリングでつながりを切り離す
デカップリングは、経済的なつながりを切り離し、サプライチェーンや取引を切り離すことです。事業者は中国企業や製品やサービスと人材から距離をおきましょう。既に取引があれば少なくします。委託先を探す場合には中国企業はもとより、委託先が中国製品を利用していないところを選びましょう。委託選定の項目として先方に明示しましょう。米国政府は、中国製品を扱う委託先がいる企業も排除をすすめています。
国際的に中国製電子製品の排除が進みます。中国進出している企業は資本や技術が人質となっているためデカップリングは悩ましいかもしれませんが、資本や技術の返還は期待ができないのでサンクコストとあきらめ、事業規模を少なくするなどフェードアウトが良いのではないでしょうか。
2022年現在、台湾有事の可能性が高まっています。尖閣諸島や与論島などは対象に含まれています。米国は台湾の半導体技術が中国に独占されることが民主主義国の脅威になると考えています。中共の利益は、日米韓による軍事行動の足並みの乱れです。反戦の世論などにより米軍の活動の妨げとなる世論操作を行う可能性があります。世論操作を受けて被害を受けないように気を付けましょう。
平時であれば利益第一の経営判断で良かったのですが、有事であればお金の価値がなくなる可能性もあります。お金の価値は有事ではゆらぐものです。
東アジアは縦型社会の特徴があり組織には権力争いがあります。自民党は党員110万人で1.2億人の国民の政府をしています。中国共産党は9000万人の党員が14億人を支配しています。日本の10倍の熾烈(しれつ)な環境です。中国共産党は決してあなどることができません。
中国の市場が魅力と考えている人は最新の中国経済の情報を入手しましょう。中国は不動産バブルとゼロコロナ対策で経済は壊滅的です。国民の多くが貧困を脱していない所得しか持ちあわせていません。習近平政権では計画経済が予想されています。露中北へのブロック経済と経済安全保障などからも中国経済は厳しいものとなると予想されています。
日本では経済安全保障の法律がまだ導入段階であることや国民の認識が薄いことから、中共の脅威がある製品やサービスなどを国内事業者がまだ平然と取り扱っています。ダーファテクノロジーというウイグル人の顔認識でジェノサイドに利用されたメーカーが2022年10月から日本で営業を開始しています、セコムもセンスタイムという顔認識カメラを利用しています。
クリーンネットワークやデカップリングで顧客の個人情報やご自身や家族や大切な人のプライバシーデータを守りましょう。中共の影響力を受けた国会議員や地方議員などの公選の人であれば選ばないようにしましょう。
私たちの想像をこえる狡猾(こうかつ)な知恵の前ではプライバシーデータがどのレベルで悪用されるかは想像することもままなりません。欧米など他国の侵略をしてきた民族が距離を置く政策をとっていることからも深刻さを推し量れます。我が身と大切な人や組織を守るためにできることをしてゆきましょう。
このように経済安全保障など、時代の変化がわかるプライバシー研修を実施しています。受講者様のご理解や気づきが得られるような少数の参加型の研修で実務やご自身の安全に役立てていただいています。
プライバシー研修はCPA資格付きで、ライセンスも更新できますので、個人情報保護部門や経営幹部の研修にご利用ください。
この記事の監修コンサルタント
株式会社STEKWIRED 取締役 プライバシーコンサルタント アドバイザリー
諸井 賀正
個人情報保護法公布の2002年からOECDプライバシー原則を基準とした「顧客目線で信頼を得るためのプライバシー対応」をクライアントができるようコンサルティングや教育を提供しています。TRUSTe認証を利用したサービスのプライバシー品質の向上と時代にあわせたプライバシーステートメント改定やプライバシー担当者や幹部社員に時代の流れとプライバシー課題が認識できるCPA資格つき研修を支援しています。
お客様の目線でクライアントのプライバシーの課題を事前にみつけ、クライアント担当者もプライバシーのメタ認識を高めることで課題認識が共有できるように心がけています。プライバシーの数少ないソリューションは透明性であるため信頼獲得のためのプライバシーステートメント策定を支援します。個人情報保護とプライバシーの関わりなど、本人が気づいて行動へつながるような価値のある研修になるようにしています。
- 【資格】
- ・JPAC認定プライバシーコンサルタント
- ・認定TRUSTeコンサルタント・審査員
- ・認定CPP/CPA講師
- ・個人情報保護士
- 【受賞】
- ・プライバシーアワードTRUSTe普及賞