経済安全保障の世界の個人情報保護〜1〜

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経済安全保障の世界の個人情報保護

PRIVACYJAPANのSTEKWIREDでは、企業向けのプライバシーコンサルティング・教育研修を提供しています。社会インフラや経済のデジタル技術の進化によるプライバシー問題などの解決のため、クライアント企業の担当者様と一緒に課題解決の支援をしています。

世界の動きは国内や企業に家庭に影響を与えます。世界や国内社会の出来事がプライバシーデータという形で自分にも影響を与えることを意識すると将来のプライバシーリスクに備えることができます。多くの企業で個人情報の流出事件のニュースから、原因となるものを対策していると思います。

世界の情勢や政府の動きは、政治家ではない私たちにとって身近なテーマと考えにくいかもしれませんが、世界の多くの国が不景気となり、エネルギー・食糧資源・水の枯渇から紛争が拡大する可能性があるため、正確な情報収集はみなさまの安全のために必要と考えています。

経済安全保障が必要な世界では、あなただけでなく私たちの個人情報がねらわれています。個人情報保護のレベルを平和な時よりも高めなければいけません。人の脳は因果推論を得意としており、また、結論だけでは物足りないと思いますので経済安全保障の世界となると個人情報保護のレベルアップが必要なのかをプライバシーの観点から述べようと思います。

情報化社会の戦争ははじまっている

競争が過熱したときに〇〇戦争と例えます。トランプ政権時には、中国との関税を掛け合いは米中貿易戦争と呼ばれていました。報道でみかけても、軍事活動のない戦争は強調した表現として一般的に受け止められます。

「戦争がはじまっている」の表現はよく見かけますが、比喩ではなく軍隊を利用した戦争の準備として情報化社会の戦争がはじまっています。そのことに気が付いている国は対抗策を講じており、それが国家安全保障なのです。

人に関わるものごとにおいて個人情報は目的達成の重要で必要な資源です。カール・フォン クラウゼヴィッツは、戦争論で「戦争は外交手段にすぎない」としています。

グローバル経済の取引やデジタル社会のさまざまな活動領域を利用して、他国を支配や影響力を行使するための侵攻が進められています。それらをすすめているのは中国共産党で、「超限戦」(ちょうげんせん)と呼ばれます。

超限戦は非軍事での脅威

超限戦」(喬良 著, 王湘穂 著)では、非軍事の経済活動も戦争領域であるとした戦術です。国家間の影響力の行使の場合には対象国の個人情報が必要とされるのは当然です。脅威は中国共産党であり、経済のつながりがある世界中の国のなかには既に深刻な影響をうけてしまった国があります。

超限戦は非軍事での脅威
超限戦は非軍事での脅威

パンデミック以降の世界では、中共の脅威が露呈し、経済安全保障の政策が採用されています。日本でも報道がされるようになりました。世界経済は、これまでの平和な状態ではなく、安全が脅かされる状態に既になっており、被害をこれ以上ひろげない対応策が必要な局面をむかえています。

これからは、有事に備えた経済安全保障

経済安全保障推進法では、重要物資、基幹インフラ、先端技術、特許の保護を最優先事項としました。日本はエネルギー資源や資材、食料などを他国に依存しているため生活に対する資源の確保が急務となっています。初手としての対策であり、欧米などは経済安全保障とともに国家安全保障の観点で国家の土地やインフラ、産業および国民の個人情報の保護策を導入しています。

これまでは、平和を前提とした社会基盤 これからは、有事に備えた経済安全保障
これまでは、平和を前提とした社会基盤 これからは、有事に備えた経済安全保障

国家安全保障は、他国の脅威に対するものであり、国内経済や国民そのものがターゲットです。経済活動で国家利益を稼ぐという比喩的なものではなく、武力行使が使われていない戦争のようなものです。

米国のバイデン政権が国家安全保障として中国共産党を脅威としています。トランプ政権で関税をかけあっていた米中貿易戦争というステージではないことを指しています。共産党20回大会で3期目を迎えた習近平政権では、台湾の独立を防ぐ軍事活動のリスクも高まっています。そのような緊張の高まる時代の経済活動は国防の観点が必要だということです。武力攻撃の可能性も考慮する必要があります。

ウクライナ戦争により国連加盟国のロシアの経済制裁をしています。ロシアは、中国や北朝鮮とドルを利用しない取引をしています。三国同盟のような経済圏ができています。冷戦状態に既になっており、輸出品が戦争物資として利用されるリスクもあるため取引の制限は厳密になっています。中露北としては、経済安全保障の網を抜けてそれらを得ることに躍起になっています。非合法や非倫理的な手段の先として対象国の企業や技術者などがいます。有事はスパイなどの被害が平時よりも多くなります。

これから予想される個人情報の脅威

世界の経済は、国民のプライバシーデータが民間や政府によって処理されています。敵対する国を侵攻するために国力を削ぐための社会混乱として、サイバー攻撃や個人情報を利用した攻撃。または、防御力を削ぐために国地方や官僚を懐柔し、選挙に介入し、世論をコントロールします。先端技術を得るために技術者を得ます。

民族紛争で独立の機運があれば地域を乗っ取ります。国土を購入して住民として住まわせ地域行政をコントロールします。自治区としたならばウイグルやチベット地域のように個人情報から思想や自由や財産を統治します。そのために個人情報が狙われています。デジタル社会は、センサーやデバイス、通信経由機器やサーバーを乗っ取ることができれば、データの収集や分析や利用ができます。

脅威となる個人情報は、デジタル社会では社会活動のあらゆる行動が監視カメラやICセンサーなどで計測され、スマートフォンでは個人行動が蓄積されています。それらのデータは、交友関係や行動タイプや主義主張や欲望などあらゆる推察が可能で工作活動にも利用されます。これらは今後の記事で詳しく述べます。

米国では医療機関から米国成人の80%のDNA情報が収集されている可能性があります。米捜査局(FBI)や情報戦略家は、中国共産党政権が、世界から収集した遺伝子情報を生物兵器の製造に悪用しかねないとして、危機感を強めています。

豪州では5G通信機器のバックドアからデータ窃取やコントールをされるスパイ活動されていることを認識しています。通信機器や端末によるデータ傍受やスマートフォンのアプリからのデータ窃取から国民を守るためにそれらの通信会社、通信機器、スマートフォンを市場から排除を進めています。

インドでは、アプリから国民の情報が収集されていることなどから54の中国製アプリの禁止をしています。

個人情報の脅威
個人情報の脅威

台湾の半導体が世界の命運をにぎる

デジタル社会であらゆる機器や装置から多くのプライバシーデータを収集し解析するには高性能の半導体が必要です。現在は高性能の半導体の技術は台湾が寡占しています。中国共産が台湾の半導体を独占すると世界のデジタル社会が立ち行かなくなります。また、中共の人権侵害の監視社会や行動監視に半導体が使われています。中共から台湾と半導体技術を守ることができるかが世界の重要事項なのです。

2022年10月に米国では半導体規制を更に強化しました。また、米国の国家全保障の最大の脅威を中国共産党としました。現在ウクライナ戦争によるロシア経済制裁をしているため、中露の経済圏と民主主義の経済圏とのデカップリングによるブロック経済は既に冷戦状態といえます。

敵国の情報収集や国内分断のために国民の個人情報が狙われる危険性がいままでよりも高まります。平和な時代の価値観から危険な時代の価値観にマインドをシフトしなければいけません。

情報化社会により私生活がデータ化され社会にあります。国内の犯罪者だけではなく、他国による侵略などの見えない脅威が増大しています。個人情報保護は、自分や自分の大切な方、お客様や会社を守るためだと早く気が付いて、取り組みをしましょう。

有事はプライバシーの危機

プライバシー保護を主張できるわたしたちは、幸せな時代にいきていると思うことがあります。

人類は文明を築くなかチカラによる支配の歴史が長く続きました。人は社会的な生き物で一人ではいきてゆけないため人による支配を受けるとその人の基本的人権がありませんでした。個人情報は差別に利用され、プライバシーの配慮のない時代でした。

世界対戦後の植民地支配や差別をなくす平等で平和な社会へと世界の価値観がシフトしました。近代の科学兵器をチカラによる支配に利用すると人類を滅ぼしかねません。他国をチカラで支配する価値観を終了しました。

軍事利用目的でコンピューターが生まれ、戦争対策でインターネット網が実現しました。米国主導でオンラインの市場が広がり、クラウドコンピューティングでデータ大量保存を可能とし、スマートフォンから利用者の行動が社会に常時接続し、ビックデータはAIが処理をおこなう情報化社会が実現しました。

人の私生活の全ての情報が社会につながりました。情報化社会のプライバシーは新しい人権と考えられるようになりました。

戦争がはじまれば総動員法などにより、国家としての苦難を乗りこえるために個人の財産や自由が制限されます。上海が中国に返還されたあとに民主主義から共産主義への移行で人権が失われる怖さを世界に教えてくれました。有事はプライバシーの危機なのです。

プライバシーは歴史的に新しい権利
プライバシーは歴史的に新しい権利

プライバシーはデジタル社会の新しい人権です。プライバシーを理解すればお客様の心の奥にある尊厳を意識でき、あなたのビジネスやあなたと大切な人を脅威からまもるためのアクションにつなげることができます。

ご興味があれば関連する「なぜ今、経済安全保障が必要な時代に」もご覧ください。

この記事の監修コンサルタント

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株式会社STEKWIRED 取締役 プライバシーコンサルタント アドバイザリー

諸井 賀正

個人情報保護法公布の2002年からOECDプライバシー原則を基準とした「顧客目線で信頼を得るためのプライバシー対応」をクライアントができるようコンサルティングや教育を提供しています。TRUSTe認証を利用したサービスのプライバシー品質の向上と時代にあわせたプライバシーステートメント改定やプライバシー担当者や幹部社員に時代の流れとプライバシー課題が認識できるCPA資格つき研修を支援しています。

お客様の目線でクライアントのプライバシーの課題を事前にみつけ、クライアント担当者もプライバシーのメタ認識を高めることで課題認識が共有できるように心がけています。プライバシーの数少ないソリューションは透明性であるため信頼獲得のためのプライバシーステートメント策定を支援します。個人情報保護とプライバシーの関わりなど、本人が気づいて行動へつながるような価値のある研修になるようにしています。

【資格】
・JPAC認定プライバシーコンサルタント
・認定TRUSTeコンサルタント・審査員
・認定CPP/CPA講師
・個人情報保護士
【受賞】
・プライバシーアワードTRUSTe普及賞