update:2009.12.16
news:Microsoft の広告チーム、IE8 開発チームに口出ししてプライバシ保護機能を弱体化させる(スラッシュドット・ジャパン)
http://slashdot.jp/security/10/08/04/0152228.shtml
プライバシー保護をしなければいけない部門と広告マーケティング部門は、意見が衝突します。プライバシーに関する情報は、活用できれば広告効果をあげることができます。しかし、ユーザーのプライバシー情報を勝手に利用することは、ユーザーへの裏切りになり安心して利用できない環境になります。
マイクロソフト社は、製品やサービス開発時に専門の部門がプライバシー保護チェックを行いますが、今回は、完成版に対して、広告マーケティング部門が後退させたようですね。
インターネットのビジネスで最も収益を得やすいのは、課金ではなく、スポンサーからの広告料金。スポンサーは広告による売上がなければ増額しないですから、業績をあげるためには広告効果を上げる必要がある。ユーザーに無駄なく広告を見せるには、ユーザーの行動履歴から嗜好の情報を収集し、広告に結びつけること。ただし、それはインターネットの歴史の上でユーザーのプライバシー情報を取り扱われることに対するユーザーの不快感や懸念や不信と結びついてきた。マイクロソフトはGoogleよりもプライバシー保護の優等生でいたのですが、プライバシー保護をしても広告主に離れられることへの恐怖から対応を変えてきているのかもしれません。
ただ、プライバシー侵害を行う企業には、プライバシー保護を重視する国からの訴訟が待っていることか、非常に悩ましい問題です。
WEBの開発チームは、すくなくとも広告チームのやりたいことは、プライバシー侵害を招く恐れがあることを認識しておいたほうが良いでしょう。
プライバシーの感覚は、国民性によって違うので、日本人は、寛容というかまだプライバシー侵害の懸念を感じる人の割合が多くないようですね。