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高齢者不明問題と個人情報保護 

update:2016.09.27

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全国で100歳以上の高齢者の所在が不明という問題になっている。

高齢者には、年金の支払いがあるので、厚労省が調査全国の対象者100名に調査を行うことになった。その際に、家族から個人情報保護だから拒否をするというケースがあるようだ。


個人情報保護法見直しも=高齢者の所在不明で検討指示-官房長官



高齢者の安否確認に当たっては、同法施行で個人情報保護の意識が高まり、地方自治体が情報提供を拒まれる問題点などが指摘されている。仙谷長官は、同法が災害救助の際も障害となることを指摘。年金受給世帯などを念頭に「ある要件の下では調査の権限が強化される必要がある」と述べた。

個人情報保護意識の高まりが、高齢者の所在確認の障害となっている理由が分からない。

個人情報保護法は、3条で個人情報の取扱には人格尊重の理念を持って取り扱うように定められており、行政機関や独立行政法人、民間企業もそうするために当然と思われる義務が課せられているだけである。

国が、高齢者の所在や安否を確認して、年金を支払い、年齢統計をつくることも国民生活を守るために必要なことであり、高齢者の家族が妨げる理由は見当たらない。

あるとすれば、報道は個人情報保護法の適用の除外対応されているので、マスコミが、高齢者の実名や高齢者のプライバシーを公表することに関して、プライバシー侵害となるから拒否をしたいということならば分かる。

高齢者が生存していないのにも関わらず、年金を本人以外が給付を受けているなら不当利益で、法律違反であることは明らかだ。地方自治体は、本人に過重な負担ない形で安否について確認することは、むしろ必要だ。

個人情報保護の観点から言えば、地方自治体は、高齢者でなくても、住民として登録されている人に関する公務で個人情報の取扱は適切に行うことが必要であって、むしろ生存が確認されないまま給付を行っていたことのほうが、個人情報の適切な取扱ができていなかったと考えられる。

といっても、高齢者だからといって、生存確認をあからさまにおこなうと、まるで「お亡くなりになるのを待っている」ような印象を与えることになる。たとえば、市の職員が危篤の高齢者の家族に対して電話で開口一番「ご高齢の○○さん、まだ生きていらっしゃいますか?」等たずねたりしたら、本当にプライバシー侵害になるかもしれない。

個人情報を安全に保護することについては、セキュリティの強化を考えれるだけで良いのだが、相手のプライバシーを配慮した対応は、難しい。プライバシー保護の難しさはここにある。

サービス業では、提供されるサービスの高品質さにプライバシー保護が含まれるものであるが、地方自治体から提供されるサービスにその細やかさを求めるのも無理な話である。


高齢者の所在や安否の確認は、年金支給をしている相手には必要なことであり、そのものを家族が個人情報保護法を盾に拒否できるものではない。だからといって、個人の家庭のプライバシーを無視した振る舞いは、地方公共団体もマスコミもするべきではない。ただし、高齢者が死亡しているのに死者の年金を受給していることは犯罪なので、その可能性がある場合には、警察が捜査するのも必要だと思う。

個人情報保護法の改正は、社会環境に照らして行うべきものであるのだけれど、法律はコミュニケーションの領域に不向きであるから、今回のことに対しては、変に変更をしないほうが良いと思う。

むしろ、一般国民をはじめ地方公共団体やマスコミが個人情報保護法についての認識が「個人情報保護」という名称からくるイメージによってゆがんでいることが問題で、「個人情報保護」を理由に不正行為を逃れようという発言が出たらその瞬間に「個人情報保護とはそういう意味で使えない」と判断できるようにならないといけないと思う。

「すべきことは行える。ただし、プライバシーに配慮して。」 プライバシーの配慮には、相手を思いやる気持ちが必要だから難しい。













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