update:2016.09.26
「ネット上のなりすまし」違法へ:カリフォルニア州 WIREEDNEWS カリフォルニア州議会は8月、ネット上の詐欺師を取り締まるため、ネット上で他人に「なりすます」ことを違法とする法案を通過させた。
カリフォルニア州には、なりすましを違法とする法律がすでに存在するが、これは1872年のもので、「署名の偽装」しかカバーしていない。新しい法案では、その原則が『Twitter』や『Facebook』、電子メール等にまで拡大される。「電子なりすまし(e-personation)」には、最高で1000ドルの罰金と、1年の禁固刑が科される。
憲法で保証された言論の自由との整合性を何とか獲得しようと、法案は「現実味のある」なりすましのみを禁じており、また「損害を与える、脅迫する、詐欺を行なうといった目的」のものでなければならない。
電子フロンティア財団(EFF)は、この法案には明らかに濫用の可能性があると警告している。懸念されることは、例えば『イエス・メン』(The Yes Men)など、政治的ジェスチャーとしてなりすましを行なう人たちを、企業が標的にすることだ。
イエス・メンのメンバーは近年、素晴らしいプロジェクトをいくつかやってのけている。たとえば2009年には、米商工会議所の人間になりすましてナショナル・プレス・クラブを借り、地球温暖化問題へのこれまでの同会議所の方針を覆す大々的な発表を行なった(日本語版記事)。
「現実味のある」なりすましという点についても、EFFは「その議論は的外れだ」と述べている。「アイデンティティの修正(identity correction)に関して重要なことは、現実味があるかどうかだけでなく、正体がすばやく露呈されるかどうかだ」
法案は現在、知事の署名を待っている状態だが、EFFは知事に対して署名しないことを要請している。
[日本では、他人のユーザーIDとパスワード等を使用してアクセスするという意味でのなりすましは「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」に抵触し、処罰の対象となる]
WIRED NEWS 原文(English)
引用ここまで

なりすましは、実に悩ましい問題だ。
全米で1200万人が被害にあっていると聞いたことがある。日本人に比べて、表記がアルファベットで、利用される名前も似たものが多いので他人の情報を利用されてもパッと見は分からないのかもしれない。
ソーシャルメディアの普及が拍車をかけている。
なりすましているかどうかを判断するには、本人である証拠をみつけなければならない。本人のみが知っていることがあれば、良いのだが、facebookの利用や日ごろのTwiiterをチェックされると多くのプライバシーに関する情報も収集されてしまう。
なりすましの犯罪者の中には、本人に対して、「なりすましの犯人だ」と開きなおってしまうケースもある。友人が分かればよいのだけど年月をあけた友人などは、本人の見分けがつかない。
本人を見極めるために、本人確認が必要なのだが、歯科医による治療記録や、本人が過去に事件をおこして犯罪者DBに指紋が登録されていない場合には困難を極める。
なりすましは、本人以外への詐欺となるケースが多いが、他人になりすまして多額の借金をして破産させることや犯罪を行うことで罪をきせることができるので、なりすましの行為自体をとりしまるべきなのだ。
そして、なりすましを違法とする法案が検討されている。他人になりすますことは、被害者に損害をもたらすこともあるが、本人確認ができなかった場合等は、どちらが犯人かもわからない。
また、他人を名乗ることなど、通信手段では非常に容易に出来ることであることや、なりすましをした事実がそのなりすましをした者であるかどうかの事実認定が難しいこともあり、法律が可決されても利用するのはむずかしいだろう。
なりすましは、今後の日本でも社会問題となることは、間違いないといえる。
法律を考えざろう得ない状況に追い込まれるまでには、相当の被害者がうまれる。
なりすましの被害者にならないためには、なりすまされないように、自分の個人情報とプライバシー情報を管理することだ。人間は社会で生活している以上、自分の情報を出さないことは不可能だが、ソーシャルメディアにプライバシー情報を多く登録したり、自分のことをあれこれツイートするなど、不特定多数に情報を公開することについて慎重になることがまず第一歩だろう。
